COLUMNS

2024.3.18

BACK IN THE 1970s~「桐の文様は豊臣秀吉への忠誠の証?当時の美しさを残した金箔瓦」(大阪歴史博物館)

1971年に森ノ宮で行われた、遺跡の発掘調査の際に出土した「金箔桐文方形飾瓦(きんぱくきりもんほうけいかざりがわら)」

大阪歴史博物館

image

400年以上前から形を変えずに現代で出土

金箔で彩られ、桐の花の文様が残るその姿は、かつてないほど美しい状態で発掘され、大阪市の有形文化財に指定されました。

基本的に欠損した状態で見つかることが多い飾瓦ですが、これはほぼ無傷の状態。その理由は明らかでないものの、偶然にも井戸の中に投げ込まれたことで土の圧力などの影響を受けにくく、当時の原形を留めることができたと考察されています。さらにこの飾瓦が貴重な有形文化財として指定されている理由には保存状態の良さに加え、桐の花の文様が関係しているよう。豊臣秀吉が家臣の大名に桐文の使用を認めていたことと、出土場所が大坂城に近いことから、家臣の屋敷の瓦に使われていたものではないかと考えられています。

この一枚の瓦が教えてくれるのは、大坂城の敷地の範囲や400年以上前に使われていた建築材料などさまざま。眺めていると城だけでなく、大名屋敷にまで豪華な瓦を使った大坂城下町の豊かさが想像できます。

★2024年5月6日(月・祝)まで、8階特集展示室の特集展示「再発見!秀吉の大坂城-金箔瓦と家紋瓦-」で展示中。

広報誌『大阪ミュージアムズ』第28号より

TOP