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2024.1.10

世界が熱狂した1970万博~お祭り広場のパフォーマンス

万博の終盤をにぎやかに盛り上げた≪具体美術祭りEXPO70≫

大阪中之島美術館

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赤人間やバルーンで跳ぶ人も。太陽の塔を背に全身でパフォーマンス。

1954年に関西で結成し、「見たことのないものを創る」をモットーに、新たな表現手法を切り拓いてきた具体美術協会、通称「具体」。
1970年の大阪万博では、具体のリーダーである吉原治良が美術展示委員として参画していることからも、当時の美術・芸術界での存在感の高さがうかがえます。

大阪万博の終盤にあたる8月末の3日間は、具体美術まつりとして具体のメンバーがアイデアを持ち寄って複数のプログラムを上演。場所は太陽の塔にほど近いお祭り広場。
真っ赤な衣裳を身に着けた「赤人間」をはじめ、バルーンを付けて飛び跳ねるなどオリジナリティの高いパフォーマンスを披露していたことが写真からもわかります。ステージで繰り広げられるユニークなパフォーマンスに、大人も子どももみんなが驚き、喜んでいる姿が自然と想像されます。

太陽の塔があるシンボルゾーンに位置し、南北に伸びる長方形の形をしていたお祭り広場は周辺の観覧席だけでなく、近くのカフェテラスからも飲食しながら鑑賞できました。
具体が繰り広げる演目と背後にたたずむ太陽の塔とのコラボレーションは非常に貴重なものです。





具体美術資料委員会旧蔵資料(大阪中之島美術館提供)

広報誌「大阪ミュージアムズ」第27号より https://ocm.osaka/pr/16971/